2010年8月1日日曜日

為替リスクヘッジの実例

しばらく理論が続いたので、今度は実際に企業がどのようにリスクヘッジしているのか、銀行員時代にみた分かりやすい例を使って見ていきたい。

オランダのとある欧州統括販売会社では、仕入が米ドル、売上がユーロとなっていて、この米ドルは社内レートに基づいて決済されていた。つまりいつも米ドルが不足していて、ユーロから米ドルへの為替が必要であった。

この会社では社内レートより実際の為替レートが良くなった時を見計らってはフォワード契約をしていた。そのフォワードも割合を決めて仕入れの総額に対して何%は1年、何%は2年、何%は3年と。私が銀行員としてかかわった時期の最高のフォワード契約は3年半。但し、為替レートがさらに良くなるかもしれないという期待も見越して、何%かそのまま残してはスポットと決めていた。

この方法で行けば、取引リスク、及び一部の経済的リスク、換算リスクを回避できることになる。完璧なリスクヘッジは存在しないが、この会社のようにしっかりした方針を決めてヘッジをするのは有効な方法と思われる。



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